第29回 湧き水まつり

  平成27年11月15日

    土の中にはどんな生きものがいるのかな? (講演の要旨)

             講師 環境カウンセラー    高木義雄


身近な土の中の生きものを採取(実験)

講師の高木さんが、はけの森や武蔵野公園などの土を集めて、ツルグレン装置を使うなどして、お母さんや子供たち
と一緒に、土の中の生きものを見つける実験を行いました。その結果、ケラやミミズなどの生きものが現れました。
そして、高木さんが子供たちに、うごめく生きものを素手で掴ませると、キャーと歓声が上がりました。
また、「ダンゴムシの好物は何?」クイズでは、皆さんが「腐った落ち葉」などに投票しましたが、「チョコレート」
や「チーズ」などが正解です、という意外な話に、また、驚きの声が上がりました。
このような感動的な第1幕に続いて、第2幕の講演に移りました。


いま、なぜ「土」なのか?(講演)

1.身近で、ふだん気づかない「土」
お庭やベランダの植木鉢の世話をするとき、指の間からさらさら落ちる土。ふだん、あまり関心を寄せることが
ありません。でも、よく考えてみると、私たちの生活は土(土壌)という基盤がなければ成り立ちません。
家やビルが建っているのは土の上。毎日食べる主食や野菜も土から生まれます。雨水を溜め、きれいな地下水に
再生するのも土の力です。

2.野川と「土」
清流野川は緑豊かな「はけの森」が生み出す湧水によって生まれました。
濾過された水にはさまざまな養分が含まれています。これが川の微細な生きものを育み、森の土によって
したがってそれを餌とする高次の生物をすまわせます。
野川はながい間、河床の漏水が課題でしたが、近年は粘土張りの対策も行われています。これも「土」です。
また、周辺では市民による畑や田んぼの活動も盛んに行われるようになりました。やはり「土」。

3.国際土壌年にあたって
2013年、国連総会で今年2015年を「国際土壌年」にすることが決議されました。
宣言では、土壌は「地球上の生命を維持する要」とされています。すなわち、「経済成長や生物多様性、持続可能
な農業と食糧の安全保障、貧困撲滅、女性の地位向上、気候変動への対応、水利用の改善などさまざまな問題を解決
する可能性」が土(土壌)には秘められているので、世界中の人々がその恵みを再認識するよう求めているのです。
しかしながら、わが国内での土壌年関連事業への関心は今一つです。
かつてほたる村で講演したこともある土壌生物写真家、皆越ようせいさんは、「地質学の観点だけではなく、すむ生き
ものに注目して土を考えたい」と語っています。

4.土と環境
甚大な被害をもたらした東日本大震災は、これまで経験したことのない「放射線による汚染された土壌」を産出しました。
処分地対策がいまだ大きな課題となっています。生活や農業の基盤である「土」が元のように健康に蘇るのは、はたして
いつのことでしょうか。土の恵みとその持続的な利用について、私たちは考え続けることをやめてはならないでしょう。

5.土壌生物の恵みを再発見しよう
「キモイ!」と言われそうな土の生きもの。でも、分解者がいなければ、落葉や朽木、そして生物の死体も土に還ることは
できません。また、目には見えない土壌細菌は医療にも役だっています。土中の放線菌から抗寄生虫薬「イベルメクチン」
の製造に役立つ物質をみつけた大村教授は、本年度のノーベル賞を受賞しました。国際土壌年にあたって、もう一度土の中
にすむ生きものを見つめ直してみませんか。



土に依拠するさまざまな生物  (撮影:高木嘉雄)

ここでは、講師の高木さんが自ら撮影した色々な「土の中のに棲んでいる生きもの」の写真を紹介し、子供たちと対話しなが
ら、夫々に、面白く楽しく、解説をしてくれました。
参加した、大人も子供も、講演にひきつけられて、2時間がいつの間にか過ぎていました。

この後は、コーヒブレークでお菓子やとコヒーを楽しみ、続いて、ほたる村の皆さんが作った里芋や大根で、女性グループが
準備してくれた芋煮会を楽しみました。


(完)


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